稚魚の色柄、その9

2021/08/31

稚魚の色柄

t f B! P L

 飼育稚魚の色柄の検証(紹介)をシリーズで書いています。金魚の色柄は人の指紋、牛の鼻紋の様に個々に違い識別の補完に使用します。
なので、金魚にも識別の違いに応用できるのですが、金魚の場合は鑑賞の対象が大きな目的で有りますので、その色柄は、鮮明で人の心に響く色や柄が求められるのです。

では、どの様な色が良いのかは鑑賞される個人差が有り一概にこの色が良いとは言えないのです。
只、金魚が現在表現している色は、5種(赤色、黄色、浅葱色(青)、黒色、白色)ですが、それらの色の絡み合いによって、複雑に混合色の色合いも加わります。
それらの色が斑紋となり、柄として絡み合うので、その絡みも又鑑賞の対象になるのです。

前回までは黒青竜の色柄の仔をお見せしましたが、今回からは黒青竜柄に赤色が絡んだ「五花竜」の色柄の仔をお見せしながら自分の考えを交えながら書いて見ようと考えています。



 写真(上)当然、今飼育の仔ですが、この仔の浅葱色は深い色で表現面積も広く良いのですが、その理由はパール鱗の表現が小さい(乗りが悪い)からなのです(カルシウム沈着が小さい事)。肩から腹部に掛けての肉付きが(丸みが少ない無い事)足らないように見えます。柄的には綺麗な「鹿の子柄」です。左肩に入った赤斑紋が黒色のメラニンが被さり、濁りの赤で、汚れの色としか感じません。



 写真(中)この仔の第一印象は、綺麗なパール鱗です。一級のパール鱗です。頭部の色は赤黒い濁った丹頂柄の五花竜ですが、体部に赤色の斑紋が数個見られ、この斑紋の赤色は純系の赤色(黒色のメラニンが入って居ない)でこの純系の赤色を次代に引き継がせたいと考えております(親魚に使用する)。この仔の斑紋の欠点は赤色斑紋の面積が小さい事です。もう少し大きな綺麗な赤色斑紋が欲しい所です。



 写真(下)この仔は丹頂五花竜ですが、写真(上)の仔や写真(中)の仔とは親魚が違うのです。黒色斑紋の面積が大きいので、全体から受ける感じは黒勝ち(黒色面積が大きい事)に見え全体が暗い仔です。今後の飼育で黒色が薄く小さくなることが有るかもしれませんが、この色柄だともっと黒色が強く、広く発色する様になるかもと思います。

QooQ