来春の親魚、その6

2021/10/29

来春の親魚

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 「変わり竜」の部の中で赤色斑紋の多い(面積)五花竜の親魚の話です。黒青竜は赤色斑紋を消した色柄でしたが、その色柄を(赤色柄の事)もう一度再現する事で、今度は五花竜の作出を試みておりますが、一度消した遺伝子(塩基配列)は中々再現が難しい、色柄の多様性なのでしょう。

黒青竜の固定が終わったと思われた時期から赤色の再現を毎年試みていますが、思う色が出てくれません。

他の魚種、例えばピンポンパールとか出目浜錦等との交配は本来の穂竜系を壊す交配なので行うべきでないと考えています。色柄と同じ様に、体形を形成している遺伝子を変形(変性)させてしまうのです。
京都の陶芸家の宇野先生(宇野系ランチュウの父)は他のランチュウとの交配を禁ずるよう指導されたとか聞いていますが、他の種との交配は金魚の場合は微妙に変化し、元に戻すには大変な時間(年数)が
掛かってしまうのです。それで元に戻れば良いですが、元に戻らない事も有るのです。

その昔、犬が(ペットとして)大流行した頃に、ブリーダーが足の長い犬と、足の短い犬を交配して新しい種を作ったと自慢した記事を見ましたが、足が普通の長さの犬に戻してしまって何を得たのでしょうか?

穂竜系の体形を維持しつつ、色柄を新しい色柄に変える改良は有って、尚、観賞価値はプラスに作用するのだと考えています。

今日の写真の仔は、五花竜作成の初期の段階で、黒青竜の色柄に赤色を加える(再現)改良をしている仔です。



 写真(上)昨年の仔で明け2歳です。この10月16日の品評大会に変わり竜の親の部に出品したものですが、会員の方に連れて帰って頂き、今は我が家には居ません。今年の6月1日に撮影したものです。



 写真(中)この写真の3尾は当歳魚で来春の親魚の候補に飼育しているもので、勿論、今も我が家に元気で居ます。この写真をよくご覧下さい。左端の仔が雄魚で(今の所多分雄と思われる)写真上の仔と色柄が良く似ており、写真(上)の仔(4月に雄親として交配に使用)の子です。(遺伝子配列を検査しても間違いないとおもわれる仔です)
写真上の親魚に赤色斑紋が似た仔は、この仔とあと一尾だけだった事を見ても、色柄の多様性は凄い、としか言いようがないと思っております。
この2代目の雄魚を五花竜作成のために、来春はこの男に活躍してもらいます。

この3尾の写真では、雄一尾に、雌2尾(中の仔と右の仔)で右端の仔も雌魚ですが、この仔の背びれ下の鱗の一部が少し黄色が混じって発色しています。

色柄は雄魚の遺伝子が大事ではないかと思っています。鳥類の色は雄鳥の方が雌鳥よりカラフルなのです。日本の国鳥の「雉」を見れば雄鳥の方がカラフルなのです。金魚もカラフルな雄魚を使用しましょう。

色柄は明るく濃いものが良いとされ、特に色柄の観賞価値の「錦鯉」では赤色は明るく濃い色が良いとされています。
それに倣えば金魚の赤色も明るく濃い赤色で際がハッキリしていれば上位なのです。

私は金魚の赤色は道路の信号機の(赤、黄、青)赤色が観賞魚の色としては最高の色と思っています。
動物に一番目立つ色なのです。危険を感じるのは赤色なのです。赤色は何故危険を感じるのかは出血の色(血の色)であり、山火事(炎の色)の火をも連想させ、本能的に危険を感じる色なので最高に目立つのです。その様な赤色が何故か色の観賞には必要な色なのです。



 写真(下)2尾はペアです。どれが雄でどれが雌かは上記の写真の説明で御理解出来るでしょう。でも、本番では別の仔との交配をも考えています。右が雌、左が雄でこの仔の雄親(父は)写真上の仔です。この仔は父親譲りで眼幅や顔がそっくりです。時期(写真を写した年齢)を比較するとこの仔の方がより赤色で赤色斑紋に黒色が薄くなって居り、来春にはもっと赤い色に発色すると見ています。赤色が孫(F2)に遺伝してくれればと思っています。


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