稚魚の色柄、その11

2021/09/04

稚魚の色柄

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前回から引き続いて五花竜の仔の色柄の紹介です。
前回は親魚に似た色柄の仔の紹介をしましたが、今日の仔は自分が狙った色柄に少し近付いた仔が出来ましたので、その仔達の8月下旬の撮影のものです。
穂竜系の仔は(金魚全般に言える事ですが)完全固定が未だ出来ていないのか、油断をしていると先祖返りをします。形もですが、色柄も原種の色に帰ろうとします。

色種が増えると、どの色かが消えるような道をたどるのです。それは黒色が薄くなったり赤色が少なくなったり、発色面積が小さくなったりするのです。

その様な意味からも、白一色や黒一色、問題の赤一色は色柄的には先祖返りなのです。
シルクと言われる透明の色無しなどは品位が下位に位置します。
鉄魚と言われる鮒色金魚は尾が桜尾でも色柄は最下位になるのです。

五花竜の5色の色のバランス良く配置された色柄は最上級と言えるのです。
写真は今年の五花竜の稚魚の中から僅か4尾だけがその色を表現しています。
写真は3枚共に五花竜同士の交配(前回紹介の親魚の仔の中からのもの)からものです。



 写真(中)は写真(上)の4尾の中から左の2尾を取りだして写したものです。遺伝子の関係か?この仔達の赤色斑紋は左半分や、右半分に偏った発色が見られ、斑紋的にはアンバランスな発色となっております。



ガラス水槽で横見の観賞ならば不自由は無いのですが、上見での観賞ならばバランスに欠ける斑紋の大きさと位置で有ります。

頭部が赤色をと狙ったので、写真のいずれの仔も埋もれてはいるものの赤色が表現され、丹頂五花竜です。この仔達を来シーズンは親魚にします。ボディーの赤色斑紋は際がハッキリとし、色も綺麗な赤色で赤色としては上級の赤色です。後は頭部に被さる黒色を消すような交配を考える事です。



 写真(下)この仔も写真(上)の右端の仔をアップした写真です。右側に発色の斑紋は背鰭付近の浅葱色と被さり、紫色に見えます。珍しい浅葱色と赤色のコラボの色ですが、やがて赤色が強くなるようだと赤色に押され紫は消えるでしょう。

写真の五花竜は今年の稚魚の中から僅か4尾しか見つかりませんでしたので、来期には皆さんにこの様な色柄の仔を分譲出来る様に頑張るつもりですのでご期待下さい。

※私は何年も他種の金魚の導入は行っていません。理由は先祖返りを誘発すると、元に戻すのに何年もの年数をかけなくては戻らないし、かけても(交配を重ねても)元に戻らない事が有るからです。
飼育魚の中から選んで進化させる方法が近道と考えての交配なのです。

写真をクリックしますと拡大されますので、拡大してご覧下さい。


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