穂竜系の金魚の形について

2022/05/21

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私は穂竜系の魚の交配を重ねて変わり竜の「黒青竜」の作出を得たものの、赤色を消したためその色の再現に(赤色の再現に)手こずっております。
他の金魚から消した赤色の導入をと考える方もいらっしゃって既に綺麗な赤色を取り込んだ方も居られるようです。しかし、私がこだわる事は、他の魚種からの色が(赤色)取り込めても穂竜系の形の持続(表現が失なわれる)が困難になる事の方が勝るのです。

ここで穂竜系の魚の形は「オランダ獅子頭」の頭部を持つ事が大事なのです。オランダ獅頭
とはどの様な形を言うのかと言いますと、その事を下記のイラストや写真で説明を致します。

金魚の稚魚からの飼育選別は「尾」の形から始まり終わりまで尾ばかりを気にしますがオランダ獅子頭は頭部の形も重要なのです。頭部の肉瘤は体形やパール系でよく似た 「浜錦」等との交配や獅子頭系以外の仔を交配に用いますと元に戻すのに年数が掛かりますので気を付けて交配をして欲しいのです。

金魚の王様と言われるランチュウはふんたんが他の金魚は見られない位発達しています。
ふんたんの発達は魚類においては最高の進化なのです。だからランチュウは魚の王様なのです。

穂竜系の金魚にもその王様の象徴の「ふんたん」を取り込む事によってランチュウの上を行く体形に進化させたのです。なので、その「ふんたん」を、ふんたんの無い他の魚種(琉金)等との交配や、浜錦等との交配をしますと、自慢のふんたんが消え、迫力がかける魚に見える仔になるのです。


左の写真は獅子舞いのイラストですがこの獅子舞に描かれている「顔全体」を獅子頭と言っています。この顔には、大きく発達したふんたんが絵が画れています。金魚のふんたんにそっくりそのままです。



左の写真は「獅子頭」そのものの写真です。
私の住んでる地区は「氏神様」をお祭りして
毎年秋の豊年まつり(10月)には奉納獅子舞いがまわれ、自分も二十歳代には獅子舞いを舞ったものです。

最初の写真のイラストの絵の獅子頭の紙の毛は白く描かれていますが、和紙で作られた頭の毛は和紙の重さだけでも、4キログラムもあるので獅子舞いを舞うと言う事は、それはもう大変でした。

この獅子頭の顔にもふんたんが描かれています。目の下の頬がそれです。ランチュウの獅子頭とはよく言ったものです。


左の写真は穂竜系の魚の前に飼育していた
「赤出目オランダ獅子頭(日本名)」で、
当時始めて中国から輸入されたばかりのこの金魚を「牧ケ谷金魚苑(静岡県)」の苑主に無理を言って譲り受けたのがこの金魚でした。
殆ど同時に購入の「黒色出目オランダ獅子頭」が後の穂竜へと変化改良されていったのです。


写真左は、今現在飼育の明け2歳の穂竜です。この金魚のふんたんはよく発達しています。上の「赤出目オランダ獅子頭」に負けないぐらいのふんたんを持ってます。
顔の色がもっと綺麗な黄色だと目立つふんたんに見えます。
審査には顔の形もよくご覧下さい。3歳以上にもなると頭部の肉瘤がより発達し、ふんたんに被さって上からの観賞にはふんたん部は見えなくなります。

写真の上の仔を横から見たものですが、ピンボケでふんたんの形が見ずらい(見えない)

補足・・・自然界での魚の形は水の抵抗を低くするため鼠型と言って先が尖って居ます。
ふんたんを発達させる事は自然とは真逆の事なのです。人間がそれを選別淘汰して作り上げたのです。それを改良と言ってるのです。
魚からすると最悪と思うのです。

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