穂竜系の金魚「変わり竜、その1(黒青竜イ)」

2022/03/20

穂竜系の金魚

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 観賞魚の金魚は観賞魚の中でも一番人間の観賞用に改良された魚です。何処が改良されたかと言うと形です。
その為、観賞価値の重点を形に置いているのです。しかし、金魚の原点はヒブナ、つまり緋色の鮒でした。
最初は非色の鮒を珍品として楽しんだのです。突然変異の形が出現し特に我が国ではその形を珍品として

磨きをかけて来たように思うのです。で、外国では観賞魚は最初の色である緋色から変化した多くの色柄にも関心を持つようになって我が国の観賞方法より色柄の方にも関心と改良を重ねたようです。

観賞魚の観賞価値はその進化した形と色柄に有るのです。形の変化は遺伝子の突然変異なので、その突然変化(突然変異)は環境(飼育環境や気象等の自然の変化)が大きく変わるような時にしか現れません。勿論、色柄の変化も同じです。なので、形も、色柄も現在見られるものを少しづつ交配によって改良する以外は、新しいものは出てこないのです。

それでも納得がいかない御仁は遺伝子組み換え等を考えるけど、人道的に許され無いのです。安全が担保出来る近未来には遺伝子操作による品種改良が可能な時が来るかもしれません。

前回自分は、金魚の観賞法は形と色柄は表と裏に例えて説明しましたが、形と色柄は「1対」と例える方が良い事に気付きました。形と色柄が金魚の観賞でのセットと言う事です。

穂竜系の金魚は形は「オランダ出目金とパール系の金魚の交配」なので、それぞれの形の長所の合作の作りとご理解頂ければ穂竜系の形はだいたい想像できると思っています。


写真をお見せしながら、色柄に附いて説明しようと思っています、今年使用の親魚(2歳魚)と共に説明ます。

先ず最初は演題の「黒青竜」です。

写真(上)冬眠明けの黒青竜の写真です。写真は3枚共に「雄魚」で、このシーズンの交配に使用予定の仔達です。特に写真上の仔は全透明鱗なのか浅葱色が綺麗な青色に見え、黒色斑紋も少ないので特に青色が映えます。

パール鱗はカルシウムの白色が鱗に被るので白くしてしまうのでこの白色を除くと青色は素晴らしく澄むのです。

頭部の黒色はふんたん部まで発色し肉瘤も2歳魚ではよく発達してますので、3歳魚の後半には楽しみな肉瘤の大きさに成長するでしょう。尾は襞スカート柄を穿いています。

写真(中)写真上の仔と比べる幾分黒色斑紋が大きく多く持つ仔です。尾の開きが足りませんがこれは先祖返りの表れで部分的判定ですが写真上の仔より尾の開き。この仔も襞スカート柄の仔です。

写真(下)今日の写真の中では、黒色斑紋が一番大きく沢山見られる仔です。黒色斑紋が背鰭近く(体部上位)に発現しますと、上位置に発色の浅葱色に被さるので浅葱が見えなくなって白黒の魚に見えてしまうのです。この仔の頭部も黒色が載って肉瘤もそこそこ発達しているので3歳魚以上の年月が経つ頃には迫力の感じる魚に成長するはずです。
この仔の尾は18世紀ころ西洋で流行のスカートを膨らませたものを感じます(パニエの上に穿いたスカート)。尾柄も「襞スカート柄」で、尾の左右の親骨も立派に開き尾の形では最高に発達した形の尾です。

※ 写真でご覧の様に「黒青竜」は黒色と青色(浅葱色)の2色を持つ穂竜系の錦魚で色柄に附いては頭部を黒色の発色と、尾は黒色の襞スカート柄に特化して交配を進めて来ました。黒色はより黒く、浅葱色はより青くを目標に交配を続けていく予定です。




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