大自然の摂理、その3

2022/03/11

大自然の摂理

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「ダーウインが来た!」の放映(NHK)の話の続きを3回にわたり書いています。

ニシンの産卵についての事ですが、私の子供の頃は(戦前から戦後間もない頃)ニシンが田の肥料に使用されて居まして、私も(農家なので)子供ながら手伝いをさせられており、ニシンを田に踏み込むのです。
田植えをして1~2か月後位に、ニシンの欠片を田に入れて子供の足で稲の根元に一個一個入れていくのです。
数の仔(ニシンの卵)を採った後の魚体の処理なので、値段も安かったのだと思います。

当時は化学肥料は未だ市販されておらず、化学肥料が有っても高額で使用できなかったと思います。
当時ニシンはバカ採れしたのだと考えられます。乱獲と人間の生活様式の変化によって、急激に海水が汚染され全国的に赤潮の発生やら汚濁が新聞上を賑わし、当時は瀬戸内の海水も醤油色に見えたりしました。

結果、海の幸のニシンも採れなくなり、数の仔は(正月用の数の仔)外国からの輸入に頼る事になって値段もバカ高くなったようです。

近年、工場排水や下水道システムも発達し海も綺麗によみがえり、ニシンを北海道に取り戻そうと漁業関係書の方々が取り組み、ニシンの生態系の追求の結果が実を結び始めた様です。

それが、今回の「その3」で完結します。

では、「ダーウインが来た!」の写真で説明されています。



(上の写真)
ニシンを呼び戻そうと人工繁殖を試みた方々の実験模擬を紹介して居るのです。
自然の摂理に従ってやれば可能なのです。自然の摂理を理解する事から始まるのです。
人工藻を入れた大水槽にニシンの雄雌700匹を入れて観察するも産卵しない。
それで「群来」の様にニシンの雄の精子を人工的に絞り水槽に入れると急に雌の放卵が始まるのだそうです。
金魚は雄、雌が体をすり合わせる様にして、放卵放精が同時に始まるのですがニシンは雄の精子のホルモンを吸収?鼻で嗅ぐ?すると雄なしでも放卵が始まるのです、精液だらけなので、卵の周りでは一杯の精子が居るので精子の中に卵が飛び出すので全卵が完全受精なのです。
波によって卵は必ず受精し、揺れる藻に付着するので酸素もたっぷり卵に降り注ります。

※金魚は雌の放卵が先に始まると、その放卵と同時に排出される羊水に含まれる卵胞ホルモンを雄が察知し、雄の精巣を刺激、精子が放出される様になります。
私の経験では雌の放卵が始まってしまい、雄が居ないときに、知人の雄を借りて来ましたが、その雄は全く精子が出ないのです。ダメもとで抱卵中の雌と一緒に水槽に入れていましたが約一時間後に借りて来た雄のお腹をさすって見ると放精が始まった経験があります。

金魚の雄は雌の放卵時に出る羊水中の卵胞ホルモンを嗅ぎ、精巣を刺激!放精へと繋がる様です。
雄、雌は採卵日まで別々容器で飼育していても受精交配に結構間に合うようです。
(以上の事が私の貴重な体験なので是非記憶され応用されれば幸いと思い書きました)

上の写真
人工藻には写真の様に卵がびっしり付着!
波にユラユラ漂うので受精は完璧!その上酸素補給もバッチリ!

写真(下)
お馴染みの孵化の始まりの図です。




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